『もうすぐ下半期試験! 電気工事士の魅力と試験内容とは』
今年も残すところあとわずか。秋の足音が近づくにつれてやってくるもの…… そう、電気工事士試験です。今年は10月24日が筆記試験、12月18日と19日が実技試験となっています。電気工事に携わる上で、電気工事士資格の取得を目指す方もいらっしゃるのでは。そこで今回は「もうすぐ下半期試験! 電気工事士の魅力と試験内容とは」についてご紹介いたします。
■どんな内容の試験? 難易度は!?
電気工事試験は第一種も第二種も同様に、四つの選択肢の中から正解を選ぶマークシート方式による筆記試験と、実技による技能試験の2つで行われます。筆記試験の試験内容は、全50問の以下の内容で行われます。
・基礎理論
計算問題を主軸とした、オームの法則などの公式を利用した電気物理の問題。
・配線設計
電線の太さや、許容電流を求める計算問題等。
・電気機器や配線器具
毎年繰り返し出題される傾向が高い、V結線や蛍光灯回路の問題等。
・材料、器具、工具の問題
工具の写真を見て、用途や名称を聞かれる問題等。
・電気工事の施工方法
工事方法に関する実践的な問題の部分。
・一般用電気工作物の検査方法
検査に関する実践的な問題等。
・一般電気工作物の保安関連の法令
電気工事士法、電気事業法、電気工事業法、電気用品安全法等の暗記問題
・配線図(図記号)
配線図記号に関する問題
・配線図(施工方法)
工事に使用する電線の太さや種類等
・配線図(電線の条件)
電線条件の問題
合格率でみると、第2種電気工事士の筆記試験は例年50%強~60%程度が、技能試験は65~75%程度が合格しており、第1種電気工事士の筆記試験はおよそ50%強が、技能試験は60%前後が合格しているとされます。国家資格の中では合格率が高い資格ですが、そもそも必要性を感じて受ける人や工業高校の生徒などが受験するので、数字だけで難易度は測れません。ある程度まとまった勉強時間を確保できれば、よほど不器用でない限りは努力が実りやすい試験だと言えます。
■第二種電気工事士を取得するメリット
第二種は、電気工事士の入門編の資格といわれています。他の資格とくらべて合格するための勉強時間が少なく、過去問から攻略することも必要なので、効率よく勉強して資格を取得することが可能です。また、年に2回受験することもできることから比較的早く取得できることもメリットです。電気工事士の資格も昨今の建築業界の人手不足の影響を受けており、資格を所持していないとできない仕事であることから、資格所有者の需要は高まり続けています。
■第二種電気工事士の資格を取得するとできること
第二種電気工事士の資格を持っていれば、小さな施設や住宅の電気工事などさまざまな箇所で電気工事に携わることができます。一例として、以下の施設があげられます。
・戸建ての一般住宅
・小規模なオフィスや工場
・商店
・家庭用の太陽光発電設備や燃料電池発電設備
上記に示した箇所であれば、配線や配電盤、電気設備の設置・交換の工事、スイッチやコンセントの設置や交換といった、電気を使うために必要な工事を行えます。資格を取得した方は、電気工事会社などに就職することが一般的です。最近では、賃貸住宅の大家が電気工事士の資格を取るケースも増えているようです。また、第二種電気工事士の平均年収は400万円から500万円となっていますが、仕事能力が上がれば年収のアップも十分に狙えます。
さらに第二種電気工事士は、電気工事における現場代理人としても活躍できます。現場代理人とは、電気工事における現場監督の役割を果たす仕事です。そのため、電気工事が図面通りに行われているか、現場で働く技術者の作業手順や方法が適切かどうかをチェックしなければなりません。そのため現場代理人は、電気工事の専門家であることが求められます。つまり、経験豊富であれば第二種電気工事士の資格でも、現場代理人として活躍することが可能です。
■第二種電気工事士の将来性は…… 様々な現場で活躍できる!
第二種電気工事士の資格を持つことで、想像以上に多種多様な現場で活躍することが可能です。住宅の建築など、建物を使えるようにするには電気工事が欠かせません。さらに第二種電気工事士は、建物をメンテナンスする仕事でも求められる資格です。住宅や商店、工場などの建物は、設備を使い続ける限り断続的に不具合が発生することは避けられません。従って、不具合への対処も不可欠です。これは電気設備も例外ではないため、第二種電気工事士の資格があると有利です。また、日々の生活において電気は不可欠である以上、電気工事士が求められる仕事はなくなることがありません。一生仕事に困らない資格とも言えるでしょう。
おわりに
配線工事は新築に限らず増改築でも必要とされる工事です。2025年開始の大阪万博、2027年に開通する新築工事を始め、復興支援や老朽化した建物の改修工事など配線工事が必要とされる工事が減ることはありません。自分のキャリアアップの為にも是非資格取得をしえみては如何でしょうか。第二種電気工事士は、「手に職」という言葉がふさわしい資格です。試験は年2回行われますから、あなたもぜひチャレンジしてみてください。
(脇田尚揮/太陽光発電アドバイザー)(株式会社リアルヴィジョン)
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