知って活かそう!「再エネ発電促進賦課金(再エネ賦課金)」
毎月自宅に届く“電気ご使用料金のおしらせ”を見ると、気になる項目があると感じた人はいませんか。そう、ここに記載されている「再エネ発電促進賦課金」という文字です。一体これは何を意味する項目なのでしょう。そして再生可能エネルギーとは!? そこで今回は「知って活かそう!“再エネ発電促進賦課金”」についてご紹介いたします。
■そもそも再生可能エネルギーって何でしょう?
再生可能エネルギーとは、太陽光をはじめ地熱、風力や水力などのように、自然界に存在する環境資源を利用するエネルギーのことを指します。石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料は使い続けると、いずれ底をついてしまいますよね。これらと異なり、くり返し使えて枯渇しないことから、再生可能エネルギーと呼ばれています。「エネルギー資源が枯渇しないこと」「温室効果ガスを排出しないこと」。この2つの特徴から、再生可能エネルギーは地球温暖化を防止できると世界中で開発が進められています。
■国連採択の“SDGs”は再生可能エネルギーの必要性を加速させる
2015年に国連で採択された、持続可能な社会を目指す世界共通の目標であるSDGsでは、目標7に「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」、そして目標13には「気候変動に具体的な対策を」と2つの目標として、掲げられています。この中で、くり返し使えて二酸化炭素を排出しない“再生可能エネルギー”は、持続可能な社会と開発の実現に役立つことから大きな期待を寄せられています。すでに世界各国で化石燃料に替わるエネルギーとして、再生可能エネルギーの開発が進められています。中でも太陽光発電は、“日の国”である日本においては馴染み深いものですよね。
■では「再生可能エネルギー発電促進賦課金」とは!?
“電気ご使用料金のおしらせ”に記載がある「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」とは、風力発電・地熱発電・水力発電などの再生可能エネルギー発電を普及・拡大させることを目的として、電力会社が再生可能エネルギーを買い取る際の費用を指します。そして、それを私たち消費者が負担する金額です。単価は全国一律にkWhあたりの単価が毎年国によって設定され、現在「再生可能エネルギー発電促進賦課金」は、2.95円/kWhと制定されています。無関係の人にとっては、ちょっと理不尽に感じるかもしれませんが、地球環境のために重要な資金でもあるのです。
■毎月の電気代=基本料金+電力量料金+「再生可能エネルギー発電促進賦課金」
しかし、毎月の電気代の明細を見て、「再エネ発電促進賦課」が高いなあ、と思っている人も多いでしょう。2016年度の「再生可能エネルギー発電促進賦課金」は2.25円/kWh、2017年度は2.64円/kWh、2018年度は2.90円/kWh、2019年度は2.95円/kWhと推移してきており、今後も少しずつ値上がりしそうな気配。ただ裏を返すと、そのお金は私たちが太陽光発電や蓄電池を導入したり設置する上での、補助金などに使われる貴重な財源でもあります。一方的に賦課され続けないためにも、思い切って活用させてもらう側になるのが有効かもしれません。
おわりに
SDGsなどを見ても確かに再生可能エネルギーの必要性は理解できるものの、それによって電気代と併せて賦課されているのは、何だか納得しない人もいるかもしれません。でも考え方によっては、太陽光発電を設置するうえでのスタートアップのハードルが下がっているのも事実なのです。「太陽光発電何て……」と思わず、補助金を活用してトライしてみてはいかがでしょう。きっと思わぬ発見にめぐり合えるはずですよ。
(脇田尚揮/太陽光発電アドバイザー)(株式会社リアルヴィジョン)
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